(2009.01.05)
(2020.03.07)
|
1) モレル(1841〜明治4(1871)年)は、ロンドン郊外に生まれ、キングス・カレッジを卒業後、ドイツやフランスで学び、明治3年に来日した。日本の国情を考慮して、狭軌を採用することや鉄に替えて木の枕木を使用することなどを考案し、新橋〜横浜間の鉄道建設を指揮した。過労のため結核が悪化して死去した。
2) ボイル(1822〜1908年)は、ダブリン生まれの鉄道技師。イギリスを始めスペインやインドで鉄道建設を経験し、明治5年に来日。神戸〜京都間の建設を指導し、京都までの開業を見届けて離日した。政府への上告書で、京都〜東京間のルートとして中山道ルートを主張しており、島崎藤村の「夜明け前」にも彼の踏査が述べられている。
3)橋梁の構造はおおむね下図の6種に大別されるが、そのうち部材を三角形に組み合わせてせたものを主構造とするのをトラス |
桁 橋 トラス橋 アーチ橋 ラーメン橋 吊り橋
斜張橋 |
|
橋と呼ぶ。トラス橋は斜材と垂直材の配置によりさらに分類され、方向の違う斜材を交互に配置する形式をワーレントラスという。ポニーとは「小型」を意味する米国的表現。
4) イギリスで名匠(ironmaster)と称されたへンリー・コート(Henry Cort、1741〜1800年)が1783年に開発した、反射炉で銑鉄を溶解し鉄の棒でぐるぐるかき回して不純物を除く製法で精錬したものを錬鉄(Wrought
iron)と言う。炭素量が0.02〜0.05%と少ないため粘り気があり、橋梁のほか大砲や錨鎖によく用いられた。
5) 6月になって住吉と神崎(現在の尼崎)が開業した。
6) 流水部のみ下十三川橋から転用したトラスの鉄橋とし、高水敷部は木橋であったと伝えられる。
7) 十三大橋については、当該稿を参照されたい。
|